木には、健脚を願う、わらじが供えられていた。

写真中央右の石台の上に棺を置き死者を弔った。

片井の阿弥陀如来さん
 地元の98歳のおばあさんのお話では、この地区には、古い昔から、祀られているお地蔵さんがあると伺った。代々、この片井の地区の方々が祀っておられ、おばあさんはよく、願掛けをすると話されていた。三宝寺に属することもあり、ご住職にお話を伺うと延享の時代の阿弥陀如来さんであり、かなり古いものだとの事。阿弥陀さんは、死後の極楽浄土を願い造立されるもので「南無阿弥陀仏」を唱えれば誰しも極楽浄土に住生できると説かれている。おばあさんの話の中でも昔は、阿弥陀さんの前の石台に棺を置き、お経を唱えながら、棺を回り、死者を皆で弔ったと話されていた。今の世では、このようになくなりつつある風習や伝説ではあるが、町のご老人の昔話に耳を傾け、次世代に残していかなくてはならないお話がたくさんあることを今回の取材を通してより強く思った。

ここでは、岩田にある「片井の阿弥陀如来さん」と「片井淵の河童(かっぱ)」をご紹介します。

片井淵の河童(かっぱ)
昔、岩田に九平さんという大金持ちがあり、牛や馬をたくさん飼っていた。ある夏の日、いつも連れて行く片井の淵に馬をつないでいた所、九平さんが目を話したすきに淵に住んでいる河童が馬の手綱をつかんで淵へ引っ張り込もうとした。馬はびっくりして飛び上がり、綱をはずして一目散に我が家に帰ったが、河童は綱を離すひまもなく、綱を握ったまま連れてこられ、家人に見つかってはと一厘銭に化けたが九平さんは、淵に住む河童と見抜き、青松の葉をもやしてくすべたところ、さすがの河童もたまりかね、「どうぞ、命だけは助けてくれ」と正体を現した。二度と、悪さをしないよう、また岩田の川に来ることがないことを約束させ、命だけは助けられたとの伝説が残っている。
地元の98歳のおばあさんに河童伝説の話を伺うと伝説の内容は知らなかったが子供の時によく両親に淵で泳ぐと「※ゴウライにお尻を抜かれる」と言われたとの話!やはり、河童はいたのであろう!!        
※ 地元では、河童のことをゴウライボーシ、ゴウライと呼んでいる。

片井橋の右側に淵があった。

岡川の堤に沿って上って行く

淵があったとされる場所。片井橋から上流を見た所。

昔は淵に大きな岩があり、水深もあった。

この辺りでは、一番古いと言われている阿弥陀如来さん
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地元の人たちに手厚く祀られている。

苔むした中に、南無阿弥陀仏の字あり、歴史を感じる。

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